長野善光寺のお参りと楽しみ方



善光寺の御開帳

 

 

善光寺で行なわれる行事の中で最も有名なのものが御開帳です。これは7年に一度だけ行なわれるものであり、4月上旬から5月下旬頃まで、およそ50日間にわたって開催されます。この時期になると全国各地から数百万人の参拝者が訪れるようになり、長野市周辺はそれらの人々で非常に賑わうようになるのです。

 

そして、その参拝者の数も、回を重ねるごとに確実に増えているようです。開帳とは、寺院で特定の日に厨子の帳を開いて、普段は拝むことのできない大切な仏像を一般に公開することです。善光寺の御開帳では、普段は善光寺御宝庫に安置されている前立本尊を7年に1度本堂に移し、その厨子の扉を開けて一般の人がお参りできるようにしています。

 

前立本尊とは、御本尊の前に立たれる分身の仏という意味です。善光寺の本尊である「一光三尊阿弥陀如来」は絶対秘仏となっており、今までに公開されたことはありません。その代わりとして鎌倉時代に造られたのが前立本尊です。したがって「善光寺前立本尊御開帳」というのが正式名称となっています。

 

御開帳の期間中は、45センチ角でおよそ10メートルの大回向柱が本堂前の参道に立てられます。この大回向柱は、白布から五色の糸を経て、前立本尊中央の阿弥陀如来の右手に結ばれた金の糸とつながっています。参拝者がこの大回向柱に触れれば、前立本尊に直接触れるのと同じ功徳が得られるといわれ、この回向柱に触れるために全国から多くの参拝者が訪れるのです。